FA電気設計を行う前に、自動化に必要な主要部品を簡単に解説します。
FA電気設計で使用される主な部品
FA電気設計をする為の第一歩として、実際によく使用される部品例を挙げます。
ブレーカー
供給電源をON/OFFします。選定する機器により漏電や過電流検出時にも遮断される為、安全のためにも必ず設置します。

スイッチング電源
FA関連設備では各種制御機器に主としてDC24Vを供給する必要がありますが、設備への供給電源はAC100VやAC200Vが多いです。スイッチング電源は供給電源電圧を入力するとDC電圧を出力します。
スイッチング電源にはDC24Vの他にもDC15VやDC5Vといった出力仕様のものもあります。

スイッチ
ON/OFFすることで電気の通り道を制御します。電源のON/OFFや装置の運転スタート/ストップ等、制御用にも使用します。ボタンを押して接点がONするもの(ノーマリオープン:NO)とボタンを押して接点がOFFするもの(ノーマリクローズ:NC)があります。
以下、一般的に使用されているスイッチ一例を挙げます。
- モーメンタリスイッチ
ボタンを押すと接点がONし、ボタンを離すと接点がOFFします。起動、停止ボタンなどに使用されます。 - オルタネイトスイッチ
ボタンを押す度に接点ONとOFFを繰り返します。電源ON用などに使用されます。 - セレクタスイッチ
自動運転/手動操作のように決まった操作を切り替えて選択する際に使用します。 - 照光スイッチ
スイッチとランプがセットになっているもので、スイッチ自体が点灯します。



センサ
部品の有無を検出したり、温度や圧力を測定し、その結果を出力します。
例えば透過型センサは光を発行する素子と受光する素子の間を遮るとその信号がON/OFFして部品の通過確認や有無を検出することが出来ます。

PLC
作成したラダープログラムによりスイッチやセンサの状況を把握し装置制御を行う、FA電気設計において最も重要な部品で、シーケンサとも呼ばれます。ラダープログラムの作成にはパソコンにインストールしたPLCソフトが必要になります。(三菱電機、キーエンス、オムロンなど)

リレー
コイルに通電することで接点がON/OFFします。スイッチは操作によって接点がON/OFFしますが、リレーはスイッチ操作やPLCの指令によりコイルに電圧を印可して接点をON/OFFして使用します。

ランプ
点灯色や点灯/点滅制御などで現在の状態を表します。

タッチパネル
最近では飲食店でもよく見かけますが、ランプだけでは表しきれない状態表示や制御が必要な場合は、自動設備でもタッチパネルを使用します。タッチパネル内に配置したスイッチにより装置のコントロールを行ったり、数値入力や表示、メッセージの表示など、搭載された様々な機能を使って装置を分かり易く取り扱うことが出来ます。画面データはパソコンにインストールされた画像作成ソフトが必要です。(三菱電機、キーエンス、オムロン、シュナイダーエレクトリックなど)

電磁弁
駆動系の装置はエアシリンダーを使用することが多いです。エアシリンダーは空気圧を使用して突出側/戻り側どちらかに動かす部品です。エアシリンダーをどちらに動かすのかを決定する為には電磁弁という部品を使用します。電磁弁に対する既定電圧印可で弁が切り替わり、どちらに動作するかを選択出来ます。AC/DCどちらでも駆動するタイプが用意されていますが、主にDC24Vで駆動することが多いです。
安全機器
工場生産ラインでは装置稼働中に作業者が危険個所に進入することも想定されます。その際即座に装置が停止するように非常停止スイッチやセーフティライトカーテンのような安全機器を使用し、作業者の安全を守ります。
端子台
制御盤への接続は端子台で行います。下記のような用途で使用します。
- 供給電源の接続
- 電制御盤外機器(センサやモーターなど)への接続
- 電源電圧(DC24Vなど)の分配

まとめ
この記事ではFA電気設計で使用する主な部品について簡単に説明しました。
次のステップは電気設計の基礎知識について学びましょう。
下記の記事が参考になれば幸いです。それでは!
