安全第一!工場における安全対策部品と事例を紹介!

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技術系

工場において、機械や設備が効率的に動くことは勿論、安全対策もとても重要になります。本記事では電気設計による基本的な安全対策を紹介します。

安全対策の必要性

自動化されているシステムは、常に人間の監視や作業者との連携が求められます。万が一、安全対策が十分でない場合、重大な事故や故障が発生する可能性があります。

安全対策を徹底することで作業者の安全を確保したり、設備の破損を防ぐことが出来ます。不具合による生産ラインの停止を減らし、生産性を維持することにもつながります。

安全対策のポイント

ロックアウト・タグアウト(LOTO)

工場内装置のメンテナンス中に装置が誤作動しないように、電源を完全に遮断し、その状態を他の作業者が誤って解除しないようにする仕組みです。メンテナンス作業時には、電源を遮断してロックし、解除する際には特定のタグ(鍵)を使用することで、安全性を確保します。

緊急停止装置(非常停止ボタン)

工場内の生産ラインでは作業者が危険を感じたときや異常が発生した際に瞬時に装置を停止させる必要があります。非常停止ボタンは例えば作業者が装置の駆動部分に挟まれた場合でも手が届く範囲に複数個設置します。ボタンを押すことで装置の動作を即座に停止させるために電源を遮断することもよくあります。

非常停止ボタン
セーフティライトカーテン

装置の危険エリアに作業者が誤って入らないようにするために、安全規格を取得した「セーフティライトカーテン」という機器を使用します。これは危険エリアに侵入すると自動的に装置を停止させるセンサーの一種で、作業者を保護します。

インターロック機能

装置のカバーやドアが開いている間は装置が動作しないようにする安全機能です。又干渉部品同士が同時に動作することを禁止したり、片方の部品がセットされている時はもう片方の部品は待機するなど、装置動作上の不具合を招く要因を予め取り除く目的で、プログラム側でもインターロック機能を施します。

フェイルセーフ設計

フェイルセーフとは、万が一装置やシステムに故障が発生しても、事故や損傷が起こらないようにする設計のことです。

例えばある装置でロボットハンドがワークを搬送中に停電が発生したと仮定します。その際ロボットハンドがワークを離して落下しないように、電源OFF時にロボットハンドがワークを掴む側になるように設計しておくことで安全性が確保されます。

安全教育の重要性

技術的な安全対策を講じるだけでなく、作業員に対する安全教育も非常に重要です。

作業者が機械や設備の操作方法を理解し、安全に使用できるようにするためのトレーニングを定期的に行うことが推奨されます。

また非常時の対応や、機械の安全装置の使い方を学んでおくことも必要です。

実際の安全対策の事例

以下に工場の生産ラインにおける安全対策の具体例を紹介します。

  • 自動車製造ライン
    ロボットアームが作業を行うエリアにセーフティライトカーテンを設置し、作業者が誤ってエリアに入った場合にロボットが自動停止するように設計します。
  • 食品工場
    ベルトコンベアの非常停止ボタンを複数箇所に配置し、危険を感じた作業者がどこからでもすぐに機械を止められるようにしています。
  • メンテナンスエリア
    メンテナンス時にブレーカーオフ状態でロックアウト・タグアウトを取り付け、作業員が誤ってブレーカーをオンすることが無いように管理されています。

安全回路の構成

非常停止スイッチやセーフティライトカーテン、ロックアウト・タグアウト用の回路は原則としてハード回路(PLCソフトに関係なく動作する電気回路)で構成します。その際に使用する機器は安全機器と呼ばれる安全方向へ確実に動作する構造の専用部品を使用します。基本的な動作は通常品と同様ですが、注意事項もありますので部品の取扱説明書を確認して設計するように心掛けて下さい。

フェールセーフ回路やインターロック回路はハード回路、ソフト回路(PLCラダーソフト)双方で状況に応じて構成します。危険度を考慮して両方で回路構成する場合もあります。

因みに電気回路設計の時点で漏電や過電流を検出して回路を遮断する対策を実施することは言うまでもありません。

下記に非常停止回路を記載します。

非常停止回路

電源ONスイッチでMC1がONとなり、駆動系電源を供給する回路ですが、非常停止スイッチ(通常時接点クローズ)を押すとRYEMOがOFFとなり、電源OFFスイッチを押した時と同じ状況になります。このような回路構成で安全を確保します。

まとめ

FA電気設計における安全対策は、作業者や設備の保護に不可欠です。緊急停止装置やフェイルセーフ設計、セーフティライトカーテン、インターロック機能など、様々な技術が使われています。また作業者に対する安全教育も欠かせません。これらの対策を組み合わせることで、安全かつ効率的な生産環境を実現できます。

次のステップはいよいよFA電気設計の手順について解説します。

下記の記事が参考になれば幸いです。それでは!

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